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ソーシャルビジネス事例 ヒューマンヘリテージ株式会社

ソーシャルビジネス事例 ヒューマンヘリテージ株式会社

奈良県で障害がある人や高齢者も誰もが生活しやすい”共生社会”を目指すソーシャルビジネスを展開するヒューマンヘリテージ株式会社代表取締役の山本善徳さんにお話を伺いました。

ヒューマンヘリテージのミッションと事業について教えてください

ミッションは「あたりまえの暮らしをすべての人に」です。障害や年齢、性別などにかかわらず、誰もが自らの人生をenjoyし、生きていてhappyと思えるような、そんな社会をつくっていくことです。

事業は、1つめに起業して最初にスタートした介護タクシーを利用した旅行・観光サポート事業「旅サポ」があります。障がいがあっても、高齢者になっても、旅をしたいという想いはみんな同じです。だけど、なかには旅をあきらめてしまっている方もおられます。この事業では、「行けるところではなく、行きたいところへ」をコンセプトに、ちょっと高級車(アルファード)の介護タクシーにご乗車いただき、安全、快適な旅のお手伝いをさせていただいています。また、宿泊をともなう旅行や冠婚葬祭、海外旅行への同行サポートなどにも対応。「あ〜行って良かった」と最高の笑顔がたくさん生まれています。

これまでに1泊2日で旅行した観光地は、白浜温泉、南知多温泉、飛騨高山、南アルプス、赤穂温泉、淡路島、有馬温泉 などです。

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「安心・快適ポイント」として以下のことをお客様にお伝えしています。
▽福祉現場での経験豊富なヘルパーがサポートさせていただくので安全・安心
▽ドアto ドアなので、荷物を運んだり、車いす等で移動したりするのも楽チン
▽お世話になったお父さん、お母さん、上司への"旅の贈りもの"に!
「旅サポ」の利用費は8時間、ヘルパー付きで3万円です。

2つめの事業は、高齢者向けカルチャーセンター「まなび処 結(ゆい)」です。
全国的にみても珍しい、65歳以上の高齢者の方のみを対象としたカルチャーセンターで、「居場所づくり、仲間づくり、生きがいづくり」をコンセプトに、現在6つの講座を開講しています。

講師は皆さんその道のプロで、親切丁寧に基本から指導してくださりますので 、初心者の方でも安心してご参加いただけます。また桜の花を愛でる会、クリスマス会などの季節のイベントも開催し、講座以外の楽しみも盛りだくさんです。学んで、お喋りして、笑ってと、たくさんの仲間たちに囲まれながら、彩りある日々を過ごして頂くように取り組んでいます。講座は、コーラス、健康マージャン、スポーツ吹矢、絵手紙、歌声喫茶、書道などです。

料金(参加費)は、どの講座も1回2000円です。

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3つ目の事業は、障害のある子どもや障害者を対象にした「すこやかhomeにっこり」です。これは、放課後等デイサービスとナイトプログラムの2つがあります。

放課後等デイサービスは、「学校から帰ったらランドセルを放り出して友だちと公園で遊ぶ」そんな経験を障害のある子どもたちにもしてほしいという思いで、お出かけを中心とした放課後等デイサービス事業を実施しています。

お出かけ以外の日も、おんと(音楽)、からだ(運動・遊び)、できた(料理・創作)など、日々趣向を凝らしたプログラムを実施し、障害のある子どもたちの発達支援に取り組んでいるほか、家族と一緒に参加できるお出かけイベントにも力を入れています。

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ナイトプログラムは、障害のある人が友達と一緒に遊びに行ったり、いろんな経験をしたりする機会は、それほど多くないのが現状です。そこで、障害のある人の余暇活動の場として、毎週土曜日の夕方にナイトプログラムを実施し、みんなでお料理を作ったり、話題のスポットにお出かけしたり、映画を観に行ったり、和気あいあいと愉しい時間を過ごしています。

その他に、「みあと寄席」やスポーツフェスティバルなどを定期的に開催しています。

ヒューマンヘリテージを立ち上げられたきっかけ、経緯について

私の幼少期の話から始まりますが、私は冒険心が強く、幼稚園には路線バスで近鉄奈良駅まで通い、鹿とおしゃべりをしながら通園していました。また国鉄マンであった父の影響で鉄道と旅行が好きな少年時代を過ごし一人で全国の駅のスタンプを集めてまわっていました。

学校を卒業して奈良にある障害者福祉施設のたんぽぽの家というところで仕事を始め、その仕事の中で、障害者を旅行に連れていくということを担当しました。複数の旅行会社と一緒になって企画して実施しましたが、移動や観光、宿泊などそれは、ものすごく大変でした。旅行と障害者というキーワードが今の会社の設立する原点です。

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私たちは旅行に行くとき行きたいところへ行けます。例えば、あの温泉に行きたいとか、こんな料理が食べたいという思いで旅行先を決めることができます。しかし障害のある人は最初から旅をあきらめている方もいますし、旅に行きたいと思っても第一条件がバリアフリーでなければならないとか、選択肢が限られてきます。このような残念な社会情勢になっていることに加え、障害者が旅行する際には費用が高くなってしまいます。ホテルでバリアフリールームは作られていますが、特別仕様のために料金が割高になってしまいます。

この様なことを考えながら、ゆくゆくは独立して会社を興そうと考え、また同時に今後は高齢化社会ということも考え、ケアマネージャーの資格をとり転職し、医療法人の老人保健施設で3年間ケアマネージャーの仕事を経て、2009年に会社を設立しました。

思い出に残るエピソードがあれば教えてください

会社を起業する前から老夫婦のおじいさんから思い出の和歌山・白浜旅行に連れて行って欲しいと言われていました。起業して、私はその方と綿密な打ち合わせをし、万全の準備をしていました。ただ、そのおばあさんが要介護4で認知症を患って施設に入っていたため、家族の方から猛反対を受けましが、それでもおじいさんの強い思いで旅行を決行しました。

奈良に帰ってきて、現地でたくさん撮影した写真のフォトブックを作ってさしあげて、家族の方にも報告を兼ねて1部プレゼントしましたところ、家族の方は打って変わって大喜びされました。これも「旅」というものがもつ力なのかと感慨深いものがありました。

それから半年後にご家族の方から連絡があり、老夫婦のご主人が亡くなったので告別式におばあさんを式場へ連れてきて欲しいと言われ、お手伝いしました。そうしましたところ、喪服をきちんと来たおばあさんは、周囲に認知症であることをまったく感じさせず、弔問客1人1人にきちんと挨拶をしており、私もそのご家族も驚いていました。このことがきっかけになり冠婚葬祭の仕事も「旅サポ」事業でするようになりましたが、このおばあさんのことは、とても思い出深い出来事となりました。

ヒューマンヘリテージ株式会社のホームページ


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ソシオ・プロダクツ 菊地健

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