障がい者と社会の架け橋として、障がい者の自立・社会参加の支援活動を大阪で展開する認定NPO法人トゥギャザー常務理事・事務局長の別府一樹さんにお話を伺いました。
事業の立上げは、今は亡き前理事長の中條桂がもともと在職していた積水ハウスの大阪・梅田スカイビルで、全国の障がい者施設の作った商品を販売するセルプバザールというイベントでした。
その時に中條が、障がい者施設の方から色々と話を伺ったところ、頑張って色々なものを作っているがなかなか売れないという状況から、障がい者の収入があまりに少ないことに驚きそれを何とかできないだろうか、何とか障がい者の自立支援の手助けをできないだろうかと考えたのが、1999年のトゥギャザーの誕生のきっかけです。
トゥギャザーのミッションは“障がい者の自立支援”です。障がい者の人たちが街で普通に暮らしたいというノーマライゼーションの実現を目指すためにみんなで助け合いましょう、“一緒に(together)”頑張りましょうという意味合いも込めて「トゥギャザー」と命名しています。
トゥギャザーの事業は、大きく4つの柱で、障がい者と社会の架け橋となるよう活動しています。
1.販売支援
2.啓発活動
3.住環境コーディネート
4.就労支援活動
販売支援は、トウギャザーがコーディネーターになって、施設がネットワークを組んで共同生産をします。具体的には、障がい者施設で作られた商品を企業のノベルティとして採択いただいたり、市民の皆さんに買って頂く機会を作ったり、商品が売れるためのモノづくりの支援活動を行っています。
啓発活動は、共生社会を築くため、ひとりでも多くの方に障がい者福祉を身近な問題と考えていただくための活動を行っています。特に12月に障がい者週間があり、協賛行事を梅田スカイビルで開催しており、障がい者施設の問題や障がい者のおかれている環境などの啓発活動を行っています。
住環境コーディネートは、障がい者グループホームの建設のサポートを積水ハウスの協力を得て“建て貸し方式(アパート方式)”という形で行っています。篤志家で土地が余っているという方に、グループホーム建設を提案し、建築後はその方に家賃として施設が支払っていくシステムです。高齢化が進む施設の中で、住まいの場を提供することは大きな課題となっております。
就労支援事業は、今までの3つの事業と繋がる形で進めています。現在の福祉情勢は、就労という方向に進みつつあり、企業の方も少しずつですが障がい者の就労の受け入れを考えてもらっていますので、企業へのヒアリングや企業からの障がい者施設の見学等のコーディネートをし、一般就労を促進するための活動に取り組んでいます。
総事業費は年間、約47,400,879円になります。
販売支援で、元々トゥギャザーは、企業とのお付き合いがあることを活かし、多くの施設で企業のノベルティ商品を作ってもらっています。特にエコバッグなどは、累計で約13万枚納品しています。
年末に向けてはエコカレンダーがあります。これは、障がい者の施設で作っているリサイクルの手すき紙を使ったもので、毎年1万数千部納品しており、14年目を迎えるもので、累計で14万部を超えるまでになっています。
住環境コーディネートでは新しい取り組みをスタートとして「花と緑でいっぱい運動」とを展開しています。これは、グループホームを建てたところに畑や花壇を一緒に造ることにより生活の場で野菜を作ったり花を育てたりする楽しみを感じてもらうと共に、地域の住民の方と一緒になって作業をする機会を設けることで地域交流や障害者福祉の理解を広げるきっかけとなっています。グループホームに住んでいるみなさんに大変喜んで頂いています。