コラム

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NPOの助成金申請の5つのポイント

NPOにとって助成金も重要な財源の1つです。助成金の審査をする立場や申請した経験を踏まえて、助成金申請で留意しておくべき5つのポイントをお伝えします。

 

1.  そもそも助成金とは、どういうものか

2.  助成金を出す側(助成元)の目的、特徴を知る

3.  申請する事業の具体性、「何を(めざす姿)」に向けて「どうやって」めざすのかが明確か

4.  自分たちの団体や活動の強み、特徴を活かした申請になっているか

5.  助成金の使い方(予算/資金の使途)が合理的か、妥当か

1.そもそも助成金とは、どういうものか

助成金を広辞苑で調べると「事業や活動、研究等を助けて成就させること」「力を添えて成功させること」とあります。

NPOの活動で、日常的に必要な資金が不足しているから、単に足りない資金を補うために助成金申請をいくつか出してみても、なかなか通りません。また、「助成金が当たった!・・・はずれた!」と表現される人・団体もありますが、得てしてなかなか通らないと思います。何故ならば、「当たりはずれ」と考えているため、数多く申請を出したとしても、「助成金を通して助成先団体とともに社会課題を解決したい」と考えて「それぞれ独自の助成プログラム」をつくっている助成金を出す側(助成元)のニーズに合わない申請になってしまいがちなのです。

つまり、必要な資金を調達するために助成金申請をするのですが、そもそも助成金は、日常的に団体として使うお金が足りないから助けてくれるお金ではなく、各助成元団体の目的があるお金だと言えます。また、例えば3年間は助成するが、それ以降は出しませんというものや、1回限りの助成金もあるように、ずっと助成が続くものではないことも押さえておかなくてはなりません。

助成金の支援は団体の維持を応援するものではなく多くは、団体の行っている事業や活動がより効果的に(めざす成果につながるよう)応援するお金です。事業や活動への助成金の他に、団体の組織基盤強化を支援する助成金もありますが、間違っていけないのは団体の維持を応援してくれるお金ではないため、団体の組織基盤強化を支援する助成金にしても、何らかの組織の成長や強化につながるように助成金を使う必要があるということです。上記のように活用するのが難しいと助成元が思ったら、助成元の予算も限りがあるので、効果的に活用して事業や活動を成果につなげたり、組織の成長につなげる団体が優先されるのです。

1.そもそも助成金とは、どういうものか

2.助成金を出す側(助成元)の目的、特徴を知る

助成金とは、助成先とともに社会課題を解決することが目的のお金なので、助成元にも助成プログラムの目的があります。

最近は「子どもの貧困」をめぐる社会課題解決や難病の子どもとその家族を支えるための助成金が新たにつくられたり、高齢者や障がい者の社会的孤立に対して、地域のつながりづくりや居場所づくりのための助成金もつくられたり重点事業になったりしています。こうした動向は、源氏の社会が抱える課題であったり、今はまだ表面化/顕在化していないけれども、これから取り組まなければいけない課題であったりします。

そうした社会動向を踏まえ、助成財団などの助成元はもともとの助成プログラムの目的に沿ってテーマや重点課題を設定したりします。それを踏まえないで自分たちの活動のことだけ考えて申請したら、うまくかみ合わないということが起こります。

助成金によって活動を変えるというのは本末転倒ですが、きちんと自分たちの取り組む社会課題やめざすところ、社会課題解決やめざすところに向けたアプローチと助成金を出す側(助成元)が意識している社会課題や解決方法等が合う助成プログラムを探していくことは必要です。そのためにすることとして、よく2つのことをおすすめしています。一つは、選考基準/審査基準を確認することともう一つは過去に採択された団体の事例を確認することです。基本的には募集要項やウェブサイトに掲載されていますが、選考基準や助成事例を見ると各助成プログラムの特徴(何を重視しているか)があらわれていたり、ヒントが得られたりします。端的に言えば、助成金申請することは、パートナー探しをすることだと思います。

3.申請する事業の具体性、「何を(めざす姿)」に向けて「どうやってめざすのか」が明確か

ここは、「取り組もうとする社会課題は何」で「どういうことを実現したい」のか。「具体的にどんなアプローチ」で、「誰のために」やることか、という具体的な事業内容が明確であるかどうかということです。よく「5W1H」を意識して事業内容を具体的にすることとも指摘されます。


助成金申請は、基本的に申請書類で審査される訳ですから、申請書にいいことが書かれているとしても、それを読み手(相手)が具体的にイメージできなければ意味がありません。申請書はきちんと具体的に書き、初めて見る人でも申請事業の内容を想像して理解できるようにすることが非常に重要です。


申請書を書いたら、第三者に見てもらうこともいいでしょう。専門用語が多すぎて、初めて読む人にはまったく意味が通じない場合も多々あります。また、ざっくり過ぎて具体的に何をするのかが分からない場合もあります。


また、申請書に写真を入れたり、添付資料を付けても良い場合は、見る人が想像をしやすくなったり理解を助けるため、活用しましょう。取材を受けた新聞記事や、紹介記事が載ったニュースレターなども添付すると良いと思います。こうした第三者の客観的評価を示すものがあることにより、書類審査をする人の理解を助ける材料が増えることに繋がります。


さらに、審査する人は申請書類を見るだけでなく、インターネットを使って申請団体のことを調べたりもします。例えば、団体のホームページを見て「この団体は普段はどんな活動をしているのだろう」「活動の発信をどの位の頻度でどう行っているのか」といった視点で調べますので、日常から活動を発信したり情報をアップデートしたりしておくことが必要です。ホームページだけでなくFacebook等のSNSやブログで活動をアップしておくことも重要で、申請書の補足にも繋がりますので、是非この点は工夫して頂きたいと思います。


逆に、ホームページに掲載している決算書類や報告等が古いもののままで止まっている場合はマイナス要因になってしまうこともあることは、ご注意ください。

3.申請する事業の具体性、「何を(めざす姿)」に向けて「どうやってめざすのか」が明確か

4.自分たちの団体や活動の強み、特徴を活かした申請になっているか

NPOは、同じ分野や内容の活動をしている団体も多く、申請書を書くときには団体の強みや特徴をきちんと表現することが重要です。同じような活動をしている団体の中から採択する団体の活動を決める時には、活動の地道な蓄積があったり、若者からシニアまで多様な担い手の参加があったり、専門性のある人材がいたり、独自性のあるプログラムを企画・実施していたりといった特徴や強みのある団体の方に可能性をより感じることもあります。


ワークショップなどで「皆さんの団体の強みは何ですか?」と聞くと、「特にこれといった強みはないですが、課題はAとBとCと…。」と、課題はあるが強みはないと答える団体は結構多いです。課題が多い団体は強みや魅力はないのでしょうか?そんなことはないはずです。


ボランティア活動やNPOの活動は、基本的には人がする活動ですから「人」の魅力や特徴は大きな強みだと思います。「人」のことを語ることができるということは、それだけ人を大切にしている団体であるということの裏返しだと思いますし、人を大切にしている団体であれば、そこに助成金の支援が加わることで、人材育成や活動の深化/進化により一層の可能性を感じる部分があると思います。「人」のことであれば、どんな団体でも挙げやすい特徴や強みの表現になるのではないでしょうか。スタッフ全員で「強み」の棚おろしを、「人」「活動内容や地域・場所」「対象者や支援者の声」「組織運営」などの切り口で、100個くらい出し合ってみてはどうでしょう。それらを反映させれば、きっといい申請書になると思います。


また知り合いの団体や人に「私たちの団体は、どんな強みや特徴がありますか?」とインタビューしてみるのも良い方法です。地域の中間支援組織などは客観的に見たり助言ができる立場なので、的確に答えてくれると思います。

5.助成金の使い方(予算/資金の使途)が合理的か、妥当か

助成申請書で、団体の設立目的、活動内容、助成事業の申請内容もしっかりと書き込まれているのに、予算書に移ったとたんに金額の計算が合わないケースもあります。

また、予算書の収入の部に助成金の他に例えば「寄付金20万円、参加費10万円」の記載があるがその費目の内訳や備考欄が空白になっている場合などは、助成金の他に財源確保に取り組もうとすることはわかるけど「寄付金や参加費はどうやって集めるのだろうか?可能性はどのくらいあるものだろうか?」と審査する側が不安になったりします。

 逆に、参加費や寄付金の積算が単価と人数がきちんと示されていて、その考え方が予算書と整合性が合う形で申請書にも記載がなされている場合は当然ながら、地に足がついた信頼性の高い予算書だと感じます。仮に申請書の中で十分に書ききれていなかったとしても、予算書の内容から想像することができる場合もあります。

よく助成金の支援を受けた事業は助成金がなくなったら継続も難しくなってしまわないように、参加費などの事業収入や会費、寄付などの確保を、助成金を得ているうちに着手し、財源確保に取り組むべきと言われますが、助成元も同じ心配があり、だからこそ、助成金がなくなった場合のことが当然ながら気になります。よって、助成金以外の財源確保の意識が予算書からもうかがえると安心感は高まります。支出の部に関しても、助成金の使い方が、活動に必要なものであることは変わらないにしても、それをすることで何か成長や変化のきっかけ、後押しや投資となる使途なのか、必要なものを消費する使途なのかで助成の意義や申請事業の見方も変わってくると思います。

このような予算や資金の使途も、助成金/助成プログラムの目的や特徴に合わせて、合理的かつ妥当かを意識して予算書を作成することが重要だと思います。助成金という資金の支援を受けるわけですし、予算の規模によって事業内容も変わります。まずは予算書から作成し、その次に事業内容の記載を進める方法も効果的だと思います。

記事提供:河合将生氏

office musubime 代表