コラム

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ソーシャルビジネス事例~株式会社グランディーユ

大阪府堺市を拠点に、精神障がい者の雇用拡充を目的としたカフェの運営や弁当事業、また地域支援センターを運営する株式会社グランディーユ代表取取締役の小笠原恭子さんにお話を伺いました。

事業を立ち上げられたきっかけ、フォーカスした社会課題

自宅でお菓子作り教室を教えていた時に、障がいのある方が習いに来てくれ、その方が、学校帰りに行く放課後デイサービスに通っていました。そこへ来て教えてくれませんかと言われ、それを機に、そういう場所があることを知ったこと、そこへ私が出向いてうまく教えられなかったという苦い経験が、支援のあり方とはどういったものなのか、どういった支援が必要とされているのか、又、健常者と障がいのある人とが交われる場所が少ないと感じたのが、きっかけです。

そして、大学院へ通いだし、これらに関する研究をしながら起業するまで4年がかかりました。同時に知的・精神障害者生活自立訓練事業所の非常勤講師をしながら、その中に身を置いて、課題な何なのかをということを見ながら起業にこぎつけました。

フォーカスした社会課題という点については、障がいのある方と出会ったのをきっかけにして、その方たちが自分の趣味を活かして、将来の仕事にしたいといった道筋は、まだまだ少ないと思い、決められたレールに乗って行かなければならないというところを、自分たちが好きなように仕事を選べたらいいという選択肢のある社会にしていきたいということ。   

そして、障がいのある方だけでなく、障がい者手帳を持っていない生きずらさや働きずらさを抱えているニートや引きこもりの方たちも同じ社会課題を持っていたので、そういう方たちに働く場所を提供したいという思いもあり起業しました。

事業を立ち上げられたきっかけ、フォーカスした社会課題

団体のミッション、事業内容・規模等

ミッションは、そのような働きずらさ、生きずらさを抱えている方たちに、働く場を広げていくことです。

事業は飲食関係では、カフェ事業「メゾン・ド・イリゼ」と、そこから派生したランチやお菓子、お弁当の製造が主なものです。あとは、堺市の受託事業で地域活動支援センター「ぜるこば」というものを2015年から運営しています。そこでは、精神障がい者やニート、引きこもりの方たちの日中居場所支援を行っています。

また、新たに京都展開を計画中で、京都リサーチパークに事務所を借りて準備中です。

事業の成果

事業をスタートして3年ですが、事業の幅が拡がったこと。また、ここに初めて働きに来て下さった方たちが今も働き続けていること。そして、ここで働きたいという人たちが増えてきていることの3点が成果だと思います。

事業の成果

現状の課題と考えておられるその対応策

ここで働きたいという方が増えてきたという事に対して、今はその方たちを雇用できる事業規模ではありません。そういう人たちを雇用していける体制を作っていくことが、今の早急な課題です。京都という遠方から働きに来ておられる方もいますが、通勤だけで往復4時間もかかり、移動だけで体力を消耗してしまい仕事にうまく対応できないという状況です。

そういう方たちの働く場をなんとかできないかと京都で色々と探しましたが、あってもうまくいかず、やはりうちで働きたいという声があがり、京都でカフェを展開していこうということになりました。ということで、そういう人たちが働く場がまだまだ少ないということは課題だと感じています。

 
もう一つは、カフェで飲食を中心とした事業を進めてきましたが、ようやく物販も少しずつ拡げていきつつあります。菓子製造をしながら物販の販路を開拓していき、その裏側に障害者やニート、引きこもりといった方たちを支援しているうちのような団体があるということを社会的に認めて欲しい、知って欲しいと思っています。そのお菓子を買ったお宅にニートや引きこもりの方がおられた場合、こういう働く場があるということを知って欲しいとも思っています。そういうことも踏まえ、物販事業を広めていくことが、早急な課題です。

ご苦労や嬉しかったことなど

このように、障がい者、ニート、引きこもり支援というと作業所と同じようなイメージがつくのですが、私どもは株式会社なので、まったく公的資金が入ってきません。「障がい者雇用をしているではないか」と言われるのですが、弊社の障がい者雇用は日数時間がすごく低いので、公的助成金というのは、まったく入ってこないのです。

ということは、自社で利益を追従していかないとならないのですが、それが最初はとても難しく、カフェという待ちの仕事だけでは、利益が伸びませんでした。そこに菓子製造や仕出し弁当製造をプラスしてやってきました。その経営もとても難しかったです。

それと並行して、ここに最初に来た引きこもりの方たちの教育というものもとても大変でした。初めて社会に出た子、会社勤めも何もしていない子がお店に来て、まず挨拶の仕方から一つひとつ丁寧に教えていきましたが、教えていく先から忘れてしまうという連続で、とても難しい仕事でした。それでも彼らは、頑張って、這い上がってきてくれて、今ではしっかりと働いてくれています。

そして彼らは今では一丸となって、新しく入ってきた社員の教育係にもなってくれており、私としてはしんどかったけれど、とても嬉しいことです。

ご苦労や嬉しかったことなど

今後の展開計画や将来の夢

ちょうどこれから、京都で定期的にレンタルカフェを借りて、カフェ事業を開催していきます。

そして来年には、きちんと自社の店舗を持てるようにしようと思っています。

2年後以降は、他府県で同じ思いを持って下さる方と同じ形式でイリゼ・ブランドを展開できればと思っています。

株式会社グランディーユのホームページ


インタビュー

ソシオ・プロダクツ 菊地健