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こども達に貴方の温もりを~NPO法人日本こども支援協会

こども達に貴方の温もりを~NPO法人日本こども支援協会

児童養護施設や里親の支援、子育て支援や啓発活動をされているNPO法人日本こども支援協会・代表理事の岩朝しのぶさんにお話を伺いました。

事業を立上げられたきっかけ、フォーカスした社会課題

元々、里親をしようと思っていたのですが、自分はこどもができなくて不妊治療をしていた時、ボランティアで里親支援に関わりました。

不妊治療の体外受精は1回80万円程かかるのですが、それを3回ほどトライし、すごく時間と労力をかけているところに、当時、社会的に擁護されているこどもたちが36,000人いるという事を知り、そういうこども達がそんなにいるのに、私がお金や労力をかけて使っているところは違うのではないか?という事を自分の中で葛藤していました。

 

主人に相談をしたところ、最初は乗り気ではなかったのですが、話をしていくうちに自分たちでも何かができたらいいねという事になり、里親になりました。最初は、うちに来たら、あれを買ってあげようか、水族館に連れていってあげようかと、やってあげたい事を自分勝手に考えていたのですが、実際にうちに来た子が5才の女の子で、お風呂にも入ったことがない子でした。

全く生活習慣が出来ていない子で、すごく驚き、水族館どころではなく打ちのめされ「ちょっと待てよ、こんな子が36,000人もいるのか」と思うと、焦りと憤りを感じました。

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そこで、何かやれたらと思い、施設訪問ボランティアを始めました。そして、どんどん学んでいくと、施設に時々行って「じゃあまたね」と言って別れることが、本当にこどもの為になるのだろうかと思い始めました。


自分は楽しいですが、「またね」と言って別れて、次また行った時にその子はまた施設に居るのです。結局、時々行くことは、本当にこどものためなのだろうか?何が一番いいのだろうか?という事を模索し始めました。


こどもは自分だけを見て欲しい。「見て、見て」という思いが強いので、時々行ってその時だけのお姉ちゃんで、帰る時にはあっさりしていて「あ、バイバイ」という感じなのです。また次に行った時に、ボランティアする子が違う子だと、私のことは見向きもせずにいるのです。「何かこれは違うぞ」という思いがあって、時々のスペシャルな時間ではなく、日常を支えてあげることが必要なんじゃないかという事で、問題の焦点が合ってきました。


本当は、自分の家に帰れることが一番いいのですが、その子の背景を聞いていくと家に帰ることが必ずしも最善ではないことも解りました。そういう中で、今は本当の親心を見せてあげられるような、いい里親さんが必要なんじゃないかと思っています。


私1人が里親で一生懸命頑張っても、一生かけてせいぜい10人くらいのこどもを面倒みられるくらいだと思い、私だけでは追い付かないので、こどもたちの問題を知ってもらうことから始めるために、この団体を立ち上げました。

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団体の目指すもの、具体的な事業内容

里親制度を知って欲しく、啓発しています。里親さんがまったく足りておらず里親さんは全国で1万組ぐらいしかいないのです。大阪市内でも150組くらいです。

本当だったら、大阪市なら登録だけでも5,000組くらいは必要です。全然、間に合っていません。そもそも増やしたところで、今度は里親の質が問われてくるので、ただ預ければいいというのではなく、そこからがスタートなので、質的に問題がある里親さんへの支援もこれからの課題です。

では、その先に何があるかというと、里親がスタンダードで里親がたくさんいる社会がいいかというとそうではなく、里親が必要の無い社会がこどもにとっては、最善だと思っています。親子が親子のままでいられるような支援に一番力を注いでいくのが一番良いのですが、そこを目指すためには、今、里親が必要なのです。


具体的な事業は、まず啓発事業です。知ってもらわないと問題を問題と思っていないので、まずはそこからです。そして里親を開拓、研修、支援しています。

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事業の成果

「10月4日全国一斉里親制度啓発キャンペーン」ですが、現在、日本に45,000人のこどもが擁護されています。そのこどもの数と同じだけのハート型のリーフレットを作って、各地で道行く人に配っています。大阪だったら常時3,000人のこどもが保護されているので、3,000枚のリーフレットをまきます。


そうすると、その1枚というのが実際に生きているこどもと同じ重みがあります。「この子の将来はリーフレットを受け取った貴方にかかっているのですよ!」というメッセージを持っている訳です。

ちょっと重たいかもしれませんが、実際にマイノリティと言われているこどもたちの問題というのが、世の中にはまったく見えていないので、各地で啓発をしているのですが、全国で連動したキャンペーンというものは全くないので当協会が作りました。


昨年は、自治体の参加が23ケ所、その他一般のお店や企業さんやボランティアさんが94ケ所でリーフレットを配布してくれました。今年は自治体の参加が47ヶ所、一般ボランティアを含め全国113ヶ所で実施します。


そして、昨年は講演などが26回あり、この7年で約1万人の方に啓蒙してきました。

今までは毎年、要保護児童というのが1000人単位で増えていたのです。8年前には36,000人。昨年は46,000人まで増えました。しかし今年は昨年よりも1,000人減り45,000でした。

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これはもちろん、うちの団体だけの活動で得られた成果ではありません。児童福祉法改正によってメディアも動いていますし、昨年は特別養子縁組のTVドラマも3本ありました。


また、今年は新聞各紙の社説にも里親制度に関連する記事もありました。今、大きく流れが来ているように感じます。これでやっと、こどもたちに焦点が当たりだしたのかと思っています。


そういうことを考えると、私たちも去年46,000人で今年45,000人になったので、キャンペーンで配布するリーフレットの数が減りました。これはとても嬉しい事で、このまま年々減っていけるように頑張っていきたいと思っています。この1,000人減ったのが成果だと思います。

現状の課題と考えておられるその対応策

まず里親を増やさなくてはなりません。担い手不足です。厚生労働省は「家庭的な養育をもって里親を増やしていく」という事を打ち出しましたが、委託する里親がいません。まずは里親を増やします。しかし量的に増やしても、次は質が問われるので、「良い里親」を増やさなくては考えています。


啓発活動も里親探しも、そして里親への研修、支援。それを担っていけるのが日本こども支援協会なのだと思っています。


私は養育里親なので、里親の何が大変なのかをよく解っているつもりです。里親同士の交流の企画や相互の応援、そして、何より連携が大事だと思っています。施設と児童相談所と里親会と支援団体が連携をとり、その中で知識と情報を共有しながら、こどもを中心に置き、連携をとる事が一番重要でこの仕組みを今作ろうと思っています。

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今後の展開計画や目標

里親を増やす活動について、まずは大阪を特化して力を入れて前例を作っていきたいと思っています。その実例を元に他の都道府県に展開していければと考えています。

目標は、里親が必要のない社会と虐待でこどもが命を失うことのない社会です。

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インタビュー

ソシオ・プロダクツ 菊地健

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